銀行に勤務して20年経過し、メーカーに転職した。
仕事の内容は与信管理業務である。
メーカーは、製品を取引先に販売するが、消費者に直接売るのではなく、
販売してくれる会社に売る。
いわゆるB-to-Bの取引で、消費者直接取引のB-to-Cは少ない。
企業間の取引では、代金は掛売りと言って、後日決済される。
継続的な取引をするので、〇〇日締め、〇ヶ月後の〇〇日、現金払いとか、
月末締め、翌月末払い、現金50%、手形50%、手形サイト90日とか、
いずれにしても、代金の支払いが完了するのは、製品を売ってから
数ヶ月後、場合によっては半年以上経過することもある。
その間、メーカーは、売り先に販売代金を貸している状態になる。
いわゆる信用取引で決済されるため、代金を契約通り払ってくれなかったり、
未払いのまま倒産してしまったら、代金を回収できず貸し倒れとなる。
販売先とは信用を前提に取引しており、販売先の信用状況を見極める必要がある。
まず、取引するか否か、取引する場合はいくらまで掛売りを認めるか、
代金の回収条件はどうするか、担保や保証金を求めるか、などを決定する。
これらの業務を「与信管理」と言う。
この与信管理をどのように運用していくかは、正に、マネジメントの領域になる。
与信管理は審査マンだけではできない。
経営者がどのようなスタンスで信用リスクに向き合っていくか、
その方針を、営業マンにどのように浸透させ、どのように実践していくか。
これによって、企業の業績に多大な影響を与える。
与信管理を誤れば、会社が倒産してしまうこともある。
取引先の信用リスクを扱ってきた経験を、何かに役立てたいと思うようになった。
60代に入って定年退職が迫ってきた今、銀行での経験も活かした情報発信をします。