生活防衛資金

高齢者の株式投資

楽天証券の客員研究員の「山崎 元」さんのYouTubeを視聴していると
「生活防衛資金」について解説していた。
生活防衛資金とは、会社が倒産したり、病気になったり、思わぬ事態に
陥った時に、安心感を確保して生活できるだけの資金を、
リスクのある資金とは別に、銀行預金などで確保しておく資金のこと。

元本を失わず、流動性を確保しておくことが最重要な資金のことである。
この言葉を最初に使ったのが、「木村 剛」氏であると解説していた。

木村氏は、「投資戦略の発想法」という書籍で、生活防衛資金について
述べているが、実は、この本は、私が2005年ごろに購入した本であり、
投資に関する本のなかで、非常に優れた本であると思い、
繰り返し読んだ本である。

つい最近、部屋を片付けて、思い切って、不要な物を断捨離したのであるが、
この本だけは、捨てずにとっておいた。

木村氏は、小泉内閣のブレーンとして活躍したが、日本振興銀行に係る事件で
逮捕されて、表舞台から消えた人物である。

「投資戦略の発想法」の内容

木村氏は、この本の中で、生活防衛資金は、毎月の支出の2年分は確保しておくべきとしている。
1年分500万円とすれば、1000万円程度は確保すべきとしている。
それまでは、株式売買などに心を奪われてはならないとしている。

生活防衛資金が準備できたら、本格的な財産形成の段階に移り、
投資戦略として、3分割ポートフォリオを勧めている。
国内株式、国債、外貨預金へ3等分して投資する。

この考え方に、当時は随分と感心し納得した。
2005年当時は、住宅ローンでマンションを購入した後で、預金もほとんどなく、
投資などは考えずに、少しでも預金をしようと考えた。

20年以上経過した今はどうか?

「投資戦略の発想法」は、2001年に出版され、私が持っている本は、
「最新版」として、2005年8月15日第1版が出版されてたものである。

最初の出版から20年が経過して、今現在の投資戦略はどうあるべきか?

生活防衛資金の重要性は変わらないと思う。

しかし、1000万円を貯蓄してから、投資に移行するのはハードルが高すぎる。
長期投資の重要性を考えると、半年分くらいの生活防衛資金を貯蓄したら、
少額でもいいので、できるだけ早く投資を始めてもよいと思う。

積立の投資信託などで、広く分散された投資をできるだけ早く始めておけば、
どうしても資金が必要なことが発生したら、一部を生活資金として取り崩すこともできる。

また、3分割ポートフォリオには、やはり外国株式(特に米国株式)が
入ってくるであろう。

この点については、「投資戦略の発想法」に次ぎの記載があり、
「投資のプロフェッショナルのあいだでは、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券
という4分割の考え方が主流であるが、これを個人投資家が実践することは容易ではない」

「実際に投資する場合は、買えない売れないという場面にちょくちょく出会う」
としている。

現在は、ネット証券に口座を開設すれば、自由に外国株式や外国債券を簡単に売買できる。
当時は、富裕層しか外国株に投資することができず、一般人は日本株に投資するしかなかった。

平成元年から、日経平均株価に投資していると、30年で資産が半分になっているが、
米国株(NYダウ)に投資していれば、10倍になっている。

昔は、富裕層でなければ出来なかった外国株投資が、誰でも簡単にできる時代が来ている。
私のような高齢者は別にして、若者は、少しでも良いから、積立NISAなどを利用して、
投資の勉強をスタートすべきと思う。

今の若者は、企業型確定拠出年金が導入されて、自分の年金は自分で運用しなければならない。
投資手腕の優劣により、老後の生活に大きな格差が生まれる時代だ。
投資の勉強をスタートするのは、早いほうがよい。

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